知床流氷アイスダイビング(その1)
金子剣一郎
皆さん、こんにちは!
水中世界より海族 潜長がお届けします。
今年も知床半島へ流氷アイスダイビングに行ってきました。
「流氷アイスダイビングについて」と「流氷下の生物」の2回に分けて、
ご報告したいと思います。
今回は「流氷アイスダイビングについて」です。
流氷はどこからやってくるか知っていますか?
流氷はロシアのアムール川あたりで発生し、徐々に流れてきます。
文字通り風の影響を受けて、流れてきます。
海面が流氷でびっちり覆いつくされていても、
一晩風が吹けば全ての流氷が流されてしまうこともあります。
知床で流氷アイスダイビングが楽しむことができるのは2月~3月上旬の
1か月ちょっとの間です。
この写真は雪原のように見えますが、手前の一部を除いてほとんどが海なんです!
海の表面が流氷で覆いつくされています。
陸上に接岸し、流氷同士が結氷しくっついていなければ、アイスダイビングや
流氷ウォーキングはできません。
今年はとても良いコンディションでした。
ソリにダイビング器材を乗せて流氷の上をひいてダイビングポイントへ向かいます。
では、どのように流氷で覆われている海へ潜るかというと…
流氷に穴をあけて、エントリーホールを作ります。
この穴の淵に座り、器材を装着して潜ります。
流氷下の水温は-1~2℃なので、ドライスーツの下にしっかりインナーを
着こんでいます。
さらにグローブなどの道具も流氷仕様で分厚いものを使います。
そのため動きが制限されてしまいますので、穴のところで器材の装着を
手伝ってもらいながら行います。
いざ、エントリー!!!
流氷の下の様子です。
流氷の下はまず淡水の層があり、その下に海水になります。
淡水と海水が交じり合ったところは、もやもや~っとして
一瞬視界が悪くなります。
流氷の底には植物性プランクトンがついていて、アイスアルジーと
呼ばれています。
このアイスアルジーが流氷とともに運ばれてきて、
やがて小型甲殻類や動物性プランクトンなど
の餌になり、それらが小魚の餌となり…という食物連鎖につながっていくのです。
つまり流氷が流れてきてくれることで、海の中が栄養豊かになるのです。
次回は、流氷の恵みを受けている生物たちをご紹介しますね!
お楽しみに!!
みんなの広場
スゴイ世界です。
うっとりですねーーー。どんな生物を見ることができるか
楽しみです。
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